国内初確認のウツボか 奄美海洋展示館学芸員が釣り上げる
2022年02月19日
奄美市名瀬の大浜海岸で先月15日に、国内初確認とみられる珍しいウツボが釣り上げられた。釣り上げたのは奄美海洋展示館学芸員の折田大志さん(24)。初めて見る個体に「珍しい種では」と考え、捕獲して水槽に保管。同海洋展示館のインターネット交流サイト(SNS)で紹介したところ、専門家からも問い合わせがあり、国内初確認の珍種である可能性が高いことが分かった。
釣り上げられたウツボは体長50~60㌢。身体は赤みを帯びた薄い黄褐色で、全身に黒茶色の斑点模様がある。
海洋生物に詳しい北九州市立自然史・歴史博物館学芸員の日比野友亮さんによると、このウツボは「ジムノトラックス・シャオイ」(学名)とみられ、台湾など一部地域でしか確認例がないという。
日比野さんは「台湾付近で産卵、ふ化した稚魚の一部が海流に乗って(奄美大島近海まで)運ばれ、成長した可能性などが考えられる」と推察した。
奄美海洋展示館は現在、改装のため休館中。リニューアルオープンは3月下旬の予定で、珍種のウツボも目玉の一つとして2カ月ほど展示する計画。
折田さんは「チヌ(クロダイ)を狙っていたが、珍種のウツボが偶然釣れたのはラッキーだった。さまざまな生き物がいる奄美の海では、こうした思いがけないような楽しさがある」と笑顔を見せた。