奄美、産卵確認2年ぶり増 ウミガメ、22年度調査

2023年03月25日

 県は23日、県内の2022年度ウミガメ上陸・産卵確認状況を発表した。県全体の上陸確認数は31市町村で6230回(前年度比3516回増)、産卵確認数は30市町村で3172回(同1698回増)。上陸、産卵とも2年ぶりの増加で、前年度を大きく上回った。奄美群島12市町村では上陸1128回(同358回増)、産卵713回(同170回増)となり、上陸、産卵確認数いずれも2年ぶりに増えた。

 

調査対象は海岸がある39市町村。22年4~9月に市町村が委嘱したウミガメ保護監視員らが保護監視活動に併せて調査した。

 

上陸が最も多く確認されたのは屋久島町で3580回(前年度1155回)、産卵確認も同町が1613回(同508回)で最多だった。

 

奄美での市町村別確認状況は、上陸が多い順に奄美市269回、与論町263回、和泊町172回、瀬戸内町158回、龍郷町90回など。産卵が奄美市194回、瀬戸内町128回、与論町118回、和泊町113回、龍郷町33回などと続いた。

 

過去15年間の推移をみると、県内での上陸・産卵確認数は08年度が上陸9443回、産卵5415回でいずれも最多だった。その後は増減を繰り返すなど年度によってばらつきがある。

 

県自然保護課は調査結果が県内の上陸・産卵の総数を示すものではないとした上で、「22年度の上陸・産卵の確認数は全国的に増加傾向。県内の地域によっては通常の監視業務に加え、環境省のモニタリングや小学生らによるボランティア調査を実施したことで、より正確な数字に近づいたのではないか」との見方を示した。