「集落シマムニ」で朝のラジオ体操 知名町田皆子ども会育成会 住民有志がCD作成

2023年07月28日

芸能・文化

田皆シマムニ(沖永良部島方言)バージョンのラジオ体操をする子どもたち=26日、知名町田皆

【沖永良部総局】知名町の田皆子ども会育成会(田中貴規会長)は今年から、夏休み期間中の毎週水曜日を「シマムニ(沖永良部島方言)の日」と定め、同集落のシマムニバージョンによる朝のラジオ体操を始めた。初日の26日は会場の田皆コミュニティーセンターに子どもから高齢者まで住民約80人が参加。シマムニの号令に合わせ、体操しながらシマムニを学んだ。

 

集落それぞれで違うシマムニを継承していこうと、継承に取り組む住民有志グループ「やぐにゃ」が提案。メンバーの白石弘利さん(58)が老人会の協力を得て、夏休みに合わせてシマムニバージョンのCDを作成した。

 

体操を前に、白石さんが「覚えてほしいのは号令の掛け方。『ティーチ、ターチ、ミーチ(いち、に、さん)』と声を出せるところは出してみて」と呼び掛けた。号令の練習後、参加者はシマムニの号令を掛けながら元気よく体操。シマムニバージョンの音源がある「ラジオ体操第一」を2回繰り返した。

 

体操後は三線の演奏に合わせ、沖永良部島の島唄「子守唄」「永良部百合の花」を練習。白石さんが歌詞の意味などを解説し、唄を通してシマムニを学んだ。

 

参加した白石重翔君(10)=田皆小4年=は「ラジオ体操を方言でやるのは初めてだったので楽しかった」、春日梓杏さん(14)=田皆中3年=は「学校でもシマムニを学ぶ機会はあり、簡単な単語は分かるが、ラジオ体操では分からない言葉もあった。集落の伝統や言葉が薄れているのは自分でも感じているので、こういう活動を通して残していきたい」と話した。

 

田中会長(43)は「子どもたちが楽しそうに体操や島唄に取り組んでいたので、やってよかったと思った。今後は子どもたちがもっとシマムニで声が出せるように教えていきたい」と話した。

 

やぐにゃグループによると、作成したCDは今後、集落の行事や会合など、機会あるごとに活用してもらうほか、三線伴奏によるCD作成を検討している。