石積みの一部が崩落 和泊町の県指定史跡「世之主の墓」

2022年02月11日

芸能・文化

石積みの一部が崩落した県指定文化財の史跡「世之主の墓」(写真提供・和泊町教育委員会)

和泊町教育委員会は10日、県指定文化財の史跡「世之主の墓」(和泊町内城)の石積みの一部が崩落したと発表した。当分の間は、今後も崩落の恐れがあるとして、史跡内への入場を禁止する。史跡を囲む石垣の外側からの見学は可能。町教委などは、崩落の原因などを詳しく調べている。

 

世之主の墓は琉球の方形納骨堂様式の墓。内庭と外庭があり、それぞれ石垣で囲まれている。1966年3月に県の指定文化財(史跡)となった。

 

石灰岩の岩山をくり抜いた墓室には、沖縄産蔵骨器・厨子甕(ずしがめ)が中央に三つ、四隅に四つ納められている。中央が世之主とその妻、嫡子、四隅が家臣4人の厨子甕とされているが、調査の結果、墓室からは20体以上の遺骨が確認されている。

 

町教委によると、崩落は5日午前に町文化財保護審議会委員が発見した。崩落箇所は墓室正面右上の部分で、2013年に伐採した樹木の根の部分が残り、以前から石積みが膨らんでいる状態だったという。

 

10日現在、崩落が進行しないように保護シートで覆っている。崩落原因などは今後、専門家などに依頼して詳しく調査する方針。

 

町教委は「石積みを修復するのかも含めて県と協議しながら今後の対応を決めていきたい」と述べた。