子どもたちが熱演、観客魅了 西郷隆盛と島民の交流描く 結シアター手舞
2022年12月28日
子ども・教育
【徳之島総局】徳之島の小中高生でつくる「結シアター手舞」の島口(方言)ミュージカル「結│MUSUBI」の公演が24~26日、天城町防災センターであった。子どもたちは徳之島の島口や島唄をふんだんに盛り込んだ物語を熱演し、3日間で計5回の公演に来場した延べ約800人の観客を魅了した。
結シアター手舞は2015年秋の国民文化祭を機に結成された。現在、徳之島内の小中高生約40人が所属する。演目の「結」は遠島によって徳之島に滞在した西郷隆盛と地元の青年・琉仲祐ら島民の交流を描いた物語。ミュージカルの伴奏や歌も子どもたちが主体となり、生演奏で劇を盛り上げた。
上演には劇団OBも参加。福岡から帰郷して舞台に上がった名越駿杜さん(19)は「結シアター手舞には7年間お世話になった。今回の上演は集大成のつもりで全力を尽くした」と話し、「(活動を続けていく上で)苦労はあると思うが、徳之島を題材にしたミュージカルなので、頑張って公演を続けてほしい」と後輩たちにエールを送った。
名越さんと息の合った演技を見せた現役メンバーの中村巧人さん(樟南第二高2年)は「練習機会が少なく不安もあったが、OBや周囲の協力で乗り越えられた。自分はまだまだ努力が必要。1年後にはもっと素晴らしい西郷さんを演じたい」と語った。
上演は約2時間半と長丁場。今回の公演は新型コロナウイルス感染防止のため観客数の制限が必要となったことから、多くの人たちに見てもらうため計5回の上演となった。
結シアター手舞の前田美香登会長(54)は「厳しい条件だったが、日を経るごとに子どもたちの集中力が増し、良い演技ができていた。多くの来場に感謝したい」と公演を振り返った。