SDGsや気候変動など学ぶ 東大大気海洋研教授が講義 古仁屋高校

2022年10月27日

子ども・教育

分析に使うサンプルを見せながら気候変動に関する研究について説明する横山教授=25日、瀬戸内町古仁屋

瀬戸内町古仁屋の県立古仁屋高校(米澤瑞代校長、生徒82人)で25日、東京大学大気海洋研究所の横山祐典教授による、持続可能な開発目標(SDGs)に関する講義があった。2年生29人が参加し、気候変動やその原因、身近な自然資源を活用して行われている研究調査などについて学んだ。

 

同研究所は今年度から、奄美大島に設置した研究拠点で地球温暖化による日本の亜熱帯化を見据えた研究プロジェクトを開始。原生的な自然環境が残る奄美で、気候の変化や環境・人への影響などを総合的に研究するほか、地域の高校生を支援する教育活動も行っている。

 

同校では生徒らが保健の授業で「大気汚染・水質汚濁・土壌汚染」の分野を学習しており、専門家からより詳しい知識を学ぶことで、身近に海がある自然環境について深く考えてもらおうと講義を実施した。

 

講義では、横山教授がSDGsについて「協働・協調・共感」「身の回りの環境を持続可能にすること」の大切さを強調。地球温暖化への対応が世界中で議論されている現状を説明し、サンゴの骨格や岩石、木の年輪などのサンプルを見せながら、身近な自然資源を活用して気候変動を科学的に分析する研究内容を紹介した。

 

榊優太さん(17)は「自然は思っていたより複雑。地球に酸素が増えた経緯を知ることができて面白かった」と話した。横山教授は「生徒たちには自然に興味を持ってもらい、多様な考え方で世界を見ることができるようになってほしい」と期待した。