国登録有形文化財へ 1955年建築の山小学校校舎 文化審議会が文科大臣に答申 徳之島町

2022年07月23日

政治・行政

国の登録有形文化財にするよう答申された山小学校校舎=徳之島町山(同町教育委員会提供)

【鹿児島総局】国の文化審議会(佐藤信会長)は22日、徳之島町の「山小学校校舎」を含む136件の建造物を新たに、国の登録有形文化財とするよう文部科学相に答申した。鹿児島県関係は同校舎のみ。今後、文化財登録原簿への登録が官報に告示されて正式登録となる。答申通り登録されれば、県内の国登録有形文化財(建造物)の総数は123件となり、奄美群島内では17件目となる。

 

県教委文化財課や徳之島町教育委員会によると、山小学校校舎は1955年に建築された鉄筋コンクリート造り2階建て。44年に増築され、建築規模は334平方メートル。各階北側に教室を2室並べ、南側は開放廊下、西側の端には階段室と増築された各階1室がある。校舎は琉球列島アメリカ民政府工務交通局の2階建て4教室の標準設計に共通しているという。

 

国の文化審議会は昨年7月、山小学校敷地内にある「旧山尋常高等小学校校舎」を国登録有形文化財に登録するよう文科省に答申しており、同町内の建造物が指定答申されるのは2年連続となる。

 

山小学校の卒業生で同校の校長も務めた徳之島町の福宏人教育長(62)は「山小学校の校舎内は広くてモダンな造り。奄美群島の日本復帰後に建築されたが、設計は復帰前の米軍政下時代のものを採用したと聞いている」と述べ、「来年は復帰70年の節目でもあり、関連のある教育施設が国の文化財に指定されるのは大変喜ばしいこと。世界自然遺産に登録された島の自然とともに、地域の宝として大事にしていきたい」と語った。