奄振延長、予算確保・充実を 群島市町村長会、県が中央要望 東京都

2023年11月09日

政治・行政

自民党奄美振興特別委員会の森山裕委員長(右から3人目)に奄振法の延長などを求めた塩田康一知事(同4人目)と奄美群島市町村長会の高岡秀規会長(同5人目)ら=8日、東京都の衆院議員会館

政府の2024年度予算編成に向け、奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)と鹿児島県は8日、関係省庁などへの要望活動を行った。高岡会長、塩田康一知事、松里保廣県議会議長が財務省を訪問。一行は自民党奄美振興特別委員会委員長の森山裕衆院議員にも面会し、23年度末に期限切れを迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長と事業予算の確保・充実を求めた。

 

24年度の奄振予算について、国土交通省は概算要求に前年度当初比7%増の213億6800万円を計上。非公共事業の奄振交付金は20%増の28億4800万円を盛り込んでいる。

 

要望活動では、農林水産物輸送コスト支援と航路航空路運賃軽減の各事業拡充による沖縄との連携強化や、教育・文化の振興に関する事業の追加、農業振興を図る関連事業全般を幅広く対象にすることなど、奄振交付金によるさらなる支援を求めた。奄美群島振興開発基金の充実も合わせて要望した。

 

衆院議員会館で森山委員長に面会後、取材に応じた高岡会長は「奄美、沖縄が相互に連携することは魅力ある離島のポテンシャルを高めることにつながる。教育・文化に関しても都会とは違う課題を抱えている現状がある。人口減少が続く中、若者が帰ってきやすい環境づくりのためにも奄振による支援は今後も必要」と語った。

 

塩田知事は「(森山委員長からは)奄振関係予算については補正予算でも十分な対応をしたいとの話があった。奄振法の延長、予算確保に向けては要望活動を通して手応えを感じている」と述べた。

9日は国交省に対しても要望活動を行う予定。