遺産センターに7億4千万円 環境省 補正に整備費計上 今年度着工、24年度開館予定 徳之島

2022年11月10日

政治・行政

徳之島で整備計画が進む「世界遺産センター」(仮称)の完成予想図(環境省提供)

環境省は8日に発表した2022年度第2次補正予算案に、徳之島町花徳に建設する「世界遺産センター」(仮称)の整備費7億4400万円を計上した。早ければ今年度中に着工し、24年度の開館を予定している。

 

当初は23年度予算の概算要求に盛り込んでいたが、昨年7月の奄美・沖縄の世界自然遺産登録に伴う観光客の大幅な増加を見据えて、より早く整備するため前倒しした。24年度の開館予定に変更はない。

 

遺産センターは、環境保全と適切な観光利用の推進を図る拠点施設。世界遺産登録で評価された「生物多様性」の魅力や、保護の取り組みを紹介し、エコツアーなどの活動拠点の役割も担う。

 

島を横断する県道伊仙亀津徳之島空港線沿いに整備する。徳之島空港(天城町)と亀徳港(徳之島町)を結ぶ動線上に位置し、島北部と南部に分かれた遺産エリアにもアクセスしやすい。徳之島町が観光拠点施設の併設を予定している。

 

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)は、徳之島へ観光管理施設や遺産の解説システムの設置を求めていた。同センターは遺産区域へ立ち入るための手続きや、事前にレクチャーを行う機能を持たせる。

 

環境省自然環境計画課の担当者は「訪れた人が遺産の価値を知り、ルールやマナーを学んでもらうことで、持続可能な利用を推進する。地元の人にも愛される施設にしたい」と述べた。