「地域子育ての拠点」に 第三の居場所、クラファンで機能充実 「SMAPPY KIDS」開所 和泊町

2023年11月10日

地域

環境に優しい風船を飛ばして「SMAPPY KIDS」の開所を祝う地域の子どもら=9日、和泊町

【沖永良部総局】和泊町で子育てや親子活動の拠点施設を運営するSMAPPY(新納佳恵代表理事)は9日、施設を改修し、就学前年長児~高校生の居場所として「SMAPPY KIDS」を開所した。開所式には町、関係団体のほか、地域の多くの親子らが参加。「地域子育てのハブ(拠点)」としての機能充実を喜んだ。

 

同法人は2021年10月、子育て世代の女性が中心となり設立。これまでは未就学児と保護者がいつでも集い交流し、子育ての情報共有などができる場所として、カフェや託児、食育、遊び場開放などを行ってきた。今回、日本財団が全国に広げている「子ども第三の居場所」事業の助成を受けて既存施設を改修。クラウドファンディングで集まった資金で遊具を充実させリニューアルオープンした。

 

スタッフは3人増の6人で、未就学児対象の室内遊び場などの機能も残しながら、小中学生が平日の放課後や長期休み期間中に遊んで学べる学習プログラムを展開。毎週水曜日の午後6~9時にはえらぶ手帖(知名町)と連携し、中高生が自由に過ごせるフリースペースも試験的に運営する。

 

開所式で、和泊町の前登志朗町長は「SMAPPYの皆さんには、これまでも若いお母さんに寄り添い、われわれがやるべきところもカバーしてもらい、民間だからできるいろんな展開で素晴らしい施設運営をしていただいてきた。出会いから妊娠、出産、子育てに至るまで、ここで生まれて良かったと思われるような町にしたい。これからも協力いただきたい」と述べた。

 

新納代表(36)は取材に「子どもを中心にみんなが笑顔になれるような居場所にしたい。主婦の思い付きから始まったものが、たくさんの人と関わるうちにこのような形になった。皆さんの協力がなければ成し得なかったこと。今後継続するためにも地域の皆さんの協力が不可欠。一緒に力を合わせて子どもたちの未来を支えていきたい」と話した。

 

日本財団によると、子ども第三の居場所事業による施設開設は奄美群島で6カ所目で、うち沖永良部島は4カ所目。