地域社会)徳之島の可能性探る 発達障がい支援でシンポ 伊仙町

2023年11月24日

地域

離島の特性を生かした発達障がい支援などについて考えたシンポジウム=23日、伊仙町伊仙

発達障がいへの支援について学ぶ「徳之島子ども支援学会」が23日、伊仙町の徳之島交流ひろば「ほーらい館」であった。ゲストにテレビドラマ「Dr.コトー診療所」を手掛けた脚本家の吉田紀子さん、離島診療に力を注ぐ医師の齋藤学さんを招き、「徳之島の可能性を考える」をテーマにシンポジウムを開催。人と人とのつながりなどを生かした離島での支援の可能性を探った。

 

同学会は伊仙町で島内の子どもたちを対象とした学習支援活動などを展開しているNPO法人「UNiSONキノコにじいろクラブ」が2021年に初開催し、今回で3回目。シンポジウムはゲスト2氏に同法人の芳村潔政代表を加えて進められた。

 

吉田さんは発達障がい支援についても取り上げたドラマ「リエゾン―こどものこころ診療所―」の脚本を手掛けた時のことに触れ「最初は私も発達障がいについて何も知らなかったが、専門家への取材で知識を得てさまざまな事が理解できた。まずは知ることが重要」と述べ、「ドラマが障がいに対して正しい理解を持っきっかけになれば」と話した。

 

徳之島のほか、「Dr.コトー」のモデルとなった薩摩川内市下甑島の診療所での勤務経験もある齋藤さんは「離島の良さは人と人のつながり。医師個人だけでなく、さまざまな医療関係者がチームになれば家族ぐるみで子どもたちを支援できる」と島ならではの可能性にも言及した。

 

受講した50代女性(同町在住)は「講師3人とも立場は違うが、子どもたちのことを真剣に考えている姿勢が伝わり希望を感じられる内容だった」と話し、「吉田さんが手掛けたドラマをきっかけにみんなが自然に支え合える社会が実現してほしい」と語った。