才納さんに紺綬褒章伝達 安田奄美市長が鹿児島市で 古里に寄付

2023年06月13日

地域

安田壮平奄美市長から紺綬褒章の伝達を受けた才納壽二さん(右)=11日、鹿児島市

【鹿児島総局】奄美市出身の才納壽二さん(88)=鹿児島市在住=への紺綬褒章伝達式が11日、鹿児島市の市町村自治会館であった。才納さんは「古里に貢献したい」との思いから、救急車などの購入費を古里・奄美の自治体に寄付してきた。安田壮平奄美市長から賞状とメダルを受け取った才納さんは「感謝、感激。長生きしてよかった」と語った。

 

才納さんは県立大島高校卒。大阪市での卸問屋勤務を経て鹿児島市で衣料品店を開店し、2012年まで50年以上にわたって商売を続けた。これまでに奄美市へ福祉車両や消防指揮車、高規格救急車を寄贈。両親の出身地である大和村にもマイクロバスと福祉車両を贈った。

 

紺綬褒章は公益のために私財を寄付した個人や法人が授与対象。奄美市が昨年9月に国へ申請し、今年4月29日に才納さんの受章が決定。5月10日に官報で告示された。

 

伝達式で安田市長は「古里を離れて70年以上となる中においても、いつまでも変わらぬ奄美への愛郷心には大変頭の下がる思い。古里・奄美を預かる者としてこれからも才納さんの思いをしっかりと受け止め、一層誇りの持てる奄美市の発展に努力していく」と述べた。

 

才納さんは「60歳を過ぎたら島で暮らしたかったが実現しなかった。古里のために何か形に残るものを贈りたいと思い寄付を続けている」と話し、「(受章は)大変ありがたい」と感謝した。