脱マスクへ、ゆっくりと 緩和1カ月、奄美の声

2023年04月13日

地域

マスクの自由化から1カ月が経過した奄美市の中心商店街=12日、奄美市名瀬

新型コロナウイルスの感染防止策として義務付けられていたマスクの着用が個人の判断に委ねられ、13日で1カ月となった。奄美大島内の公共施設やスーパー、観光地では「他人に迷惑を掛けないように」と脱マスクに慎重な姿勢を示す人が依然として多いものの、市街地ではマスク無しの市民の姿も。マスクを持ち歩き、「状況に応じて着脱を使い分ける」との声も聞かれる。

 

奄美市役所では12日、マスク姿の市民が来庁者の大半を占めた。対面業務が多い市民課の窓口職員も、業務中はマスクを着用。重田浩史課長は「今のところ、着用状況に特に変化を感じない。社会状況に合わせ少しずつ変わっていくのではないか」と話した。

 

奄美市住用町の黒潮の森マングローブパークでは、大都市圏から訪れたという70~80代の男女4人がマスクを着用して入館。「(ウイルスを)うつされたくないし、他人に迷惑を掛けないよう基本的には着けている。地元でも(周囲は)9割方着用している。まだしばらくはこのまま様子を見ると思う」と脱マスクには消極的だ。

 

同施設でカヌーガイドを担当する稲元義人管理課長(62)は「着用している人が半数近い。カヌー体験中も写真撮影の時だけ外す人がほとんど」と語り、大きな変化はないという。

 

奄美市名瀬の商店街でも、マスク姿の通行人が目立った。マスクを着けて買い物に訪れた70代女性は「周囲が外さないと、自分も変わらないと思う」と話した。

 

一方で、マスクを外して歩く人も。奄美市の辰島智恵子さん(84)は「屋外では外すことが増えた。人が多い場所ではすぐに着用できるよう、外出時はマスクを持ち歩いている」と柔軟に対応。同市の小久保詩織さん(28)も「高齢者の多い病院やスーパーでは着用しているが、普段はほとんど外している」と語った。

 

商店街の化粧品店スタッフによれば、ほとんどの来店客がマスクを着用しているが「そろそろ(化粧を)しないとね」と、口紅やファンデーションの購入者が増えているという。「PTAの集まりでも『マスクを外してあいさつを』と求められる場面があった」などの声も聞かれ、日常生活での脱マスクへの動きは今後、加速しそうだ。