誕生日プレゼント届いたみたい アサギマダラ、奄美大島から喜界島に マークした龍郷小児童に吉報
2023年04月27日
地域
奄美大島から隣の喜界島まで旅をしてきたアサギマダラが25日、喜界町の百之台公園で見つかった。長年アサギマダラについて調べている同町中里の福島誠さん(80)が確認した。羽のマーキングから、10日ごろに龍郷町の龍郷小学校で捕獲された個体とみられる。名前を書いた児童は今月17日に誕生日を迎えており、関係者は「(福島さんから連絡をもらい)誕生日プレゼントが届いたみたい」と喜んでいる。
アサギマダラは渡りをするチョウとして知られ、移動ルートを解明しようと国内外の愛好家らが捕獲、マーキングをして情報を共有している。越冬のため本州から南西諸島を経て台湾付近まで南下した例も確認されており、春は南から北へ向かう途中、比較的低地で花の蜜を吸うチョウの姿が奄美群島各地で見られる。
龍郷小は2006年から環境教育の一環で児童たちがアサギマダラについて学んでおり、毎年秋には同町長雲峠でマーキング大会を開く。春は校内にアサギマダラが好むハンダマ(水前寺菜)などの花を植え、学校全体でチョウの観察と調査を行っている。今月は26日までに約40匹のチョウにマーキングしたという。
喜界町で見つかったのは4月6日か10日に龍郷小の校庭で捕獲され、2年生の伊集院柚季さん(8)が名前を書いた個体。福島さんが25日午前11時ごろ、センダングサの花に止まっているところを再捕獲した。福島さんは「マーキング活動は23年目になるが、奄美大島からの渡りは初めて。貴重な記録だ」と述べた。
海を渡ったアサギマダラについて、柚季さんは「不思議」と驚いた様子。担任の岩切皆絵教諭は「チョウを通じて福島さんから連絡をいただき、児童たちは大喜びだった。活動の励みになる」と話した。