避難計画策定、市へ要望書提出 住用町役勝集落
2022年09月19日
地域
奄美市住用町役勝集落(83世帯、149人)はこのほど、災害時の避難体制構築など地域防災力強化の一環で、集落の避難・防災計画を取りまとめた。集落代表ら3人は12日、奄美市役所を訪れ、災害時の自助・共助に必要な環境整備に関する要望書を安田壮平市長へ提出。今後は官民協同で安全に暮らせる体制づくりに努める方針だ。
同集落は今年1月に奄美群島に発令された津波警報を契機に、地域防災体制の見直しに着手。6月から2度、避難計画策定会を開き▽1人で避難できない人を3人で支援する体制づくり▽地区ごと、災害の種類ごとの避難場所の見直し・設定▽毎月第3日曜日を防災について考える日に設定▽無料通信アプリ「LINE(ライン)」による情報共有体制の作成-の4項目の避難計画を策定した。市総務課によると、集落・地区ごとの避難計画策定事例は笠利町外金久集落、名瀬浜里地区に続き3例目。
災害時の避難や防災の環境整備に関する要望書は▽役勝3集落の海抜表示▽上役勝公民館を2階建てに増築▽協力企業と市側の災害協定締結▽防災行政無線が聞こえない世帯へ個別受信機の設置▽長期保存可能な非常食の確保-の全5項目。
同日は同集落在住で同計画発起人の三浦和美さん(66)ら3人が市長室を訪れ、避難計画策定の経緯などを報告。下役勝集落の森田博秀区長(71)が安田市長へ要望書を手渡した。
安田市長は「役勝集落の避難計画は毎月防災意識を喚起する日を設定するなど、先進的な取り組み。市としてもまずはできることを確実に支援していく。役勝集落のような活動が市内、近隣町村、奄美群島へ広がっていけば」と期待を寄せた。
三浦さんは「災害発生時は、実際に住んでいる人が必要とする支援が大事。避難計画や市への要望書を契機に、官民で意味(実効性)のある体制づくりに努めたい」と話した。