シュノーケリングを安全に 海の事故、回避・対処で講習 奄美市笠利町

2022年06月28日

地域

海の安全利用の啓発をした奄美海上保安職員=25日、奄美市笠利町

奄美市笠利町のマリンレジャー事業所「奄美海族塾」(髙井直人代表)は24~26日、同町の赤木名海岸さかいめ公園と同塾で「シュノーケリングインストラクター養成講座」を開いた。25日には奄美海上保安部による無料講座があり、参加者はマリンレジャーを楽しむ際の安全確保の重要性について理解を深めた。

 

講習会は、海のレジャーシーズン本格化を前に実施。奄美海保の無料講座には、奄美大島内から10人が参加した。

 

同海保によると、2017~21年の遊泳中の事故のうち、約半数がシュノーケリング中に発生。年代別では40~60代の割合が高く、体調の悪化など人的要因が多いという。

 

離岸流に飲み込まれた時の回避方法については、決して慌てず①流れに逆らわずに平行に泳ぐ②離岸流を抜けたら岸に向かって泳ぐ―ことの大切さを強調。潮流の見分け方についても説明した。

 

無料講座に先立ち、髙井代表は「奄美大島内でシュノーケリング事故が多い状況を広く周知したい」として▽近年マリンスポーツが身近になり、業者を介さずに遊泳する人が増加している▽監視員のいる海岸が少ない▽資格を持たない業者の安易な参入―などを指摘するとともに「山積する課題を各団体と情報共有しまとめる必要がある」などと訴えた。

 

奄美市名瀬から参加した大冨将範さん(44)は「いつも個人的にマリンスポーツを楽しんでいるが、専門家の話を聞くと今まで見落としていた危険性に気付け、気が引き締まった。これまで持っていた知識の確認もでき、有意義な時間だった」と話した。