広げよう!寺子屋運動、SDGs 九州ブロック・ユネスコ研究会 活動の在り方や課題を再確認 徳之島で初開催

2022年11月07日

地域

南西諸島の生物多様性や世界自然遺産についての講演もあった九州ブロック・ユネスコ活動研究会=5日、徳之島町

【徳之島総局】徳之島ユネスコ協会と日本ユネスコ協会連盟主催の「九州ブロック・ユネスコ活動研究会」が5、6の両日、徳之島町で開かれた。「世界自然遺産の島から広げよう!寺子屋運動とSDGs」をテーマに、徳之島では初めて開催。島内や九州地区の協会員ら約60人が出席し、活動報告や基調講演を通して活動の在り方や課題を再確認した。

 

日本ユネスコ協会は、世界遺産の保護・保全や災害で被害被災児の支援、貧困や紛争などの理由で教育を受けられない子どもたちの支援などを民間レベルで展開しており、徳之島ユネスコ協会(安田司会長)は2017年に加盟。徳之島での研究会は当初、19年に開催かれる予定だったが新型コロナウイルス禍で延期されていた。

 

安田会長は開会あいさつで「2000年から継続している『書き損じはがき回収キャンペーン・チャリティーコンサート』で回収したはがきは累計で約4万7千枚を超えた」と報告し、「今回の研究会でそれぞれの協会が抱える課題について情報を共有し、解決への議論を深めてほしい」と話した。

 

5日に同町亀津のホテルであった基調講演では、環境省徳之島事務所の田口知宏国立公園管理官が、奄美から沖縄に連なる南西諸島の生物多様性などについて解説。希少種保護や環境保全の重要性なども訴え、参加者は徳之島が昨年に登録された世界自然遺産の概要や、徳之島に生息する希少野生動植物について理解を深めた。

 

6日は会場を同町生涯学習センターに移して県ユネスコ協会と徳之島ユネスコ協会の活動事例発表があったほか、同町立の花徳小学校児童らが徳之島の自然について学んだ内容を発表。島唄も披露して島外からの参加者らを歓迎した。