50年前、沸く名瀬 沖縄日本復帰 祝賀ムード街を覆う

2022年05月16日

地域

名瀬小学校校庭で行われた記念式典(奄美沖縄県人会提供)

沖縄県は15日、日本への復帰から50年を迎えた。50年前の1972年5月16日付南海日日新聞は1面で「沖縄祖国へ新スタート」「異民統治に終止符」の見出しでニュースを報じた。

 

半世紀前の5月15日は朝方、梅雨空で小雨の天気。名瀬港では夜明けを待ちかねていた名瀬在住沖縄県人会の人たちが漁船団に国旗を掲げてパレードの準備。午前9時には雨もやみ、30隻の船団が立神を回り喜びを爆発させた。上空には新聞社の取材機も飛来した。

 

午後2時から名瀬小学校グラウンドで沖縄復帰祝賀実行委員会(大津鉄治会長)が記念式典を開催。大津会長は「同じ行政分離を受けたわれわれにとっては、隣県の復帰はよろこびひとしおである。こんごは共に手を取って振興をはかりたい」とあいさつした。

 

市役所では祝賀会が催される一方、中央公民館には労働組合員らが「沖縄の完全復帰と奄美の振興を要求する集会」を開き「手ばなしでは喜べない復帰。完全復帰を勝ち取ろう」と呼び掛けた。隣接した名瀬小学校体育館では沖縄県人会の「感謝の夕べ」が催され、本紙は「複雑な一面もある沖縄復帰だった」としている。

市内を練り歩く祝賀パレードに参加する名瀬在住沖縄県人会メンバー(奄美沖縄県人会提供)