災害時の児童引き渡し訓練 戸口小

2022年05月16日

社会・経済 

ドライブスルー方式で実施した児童引き渡し訓練=14日、龍郷町の戸口小学校

龍郷町の戸口小学校(森智子校長、児童36人)は14日、台風や豪雨などの風水害を想定し、下校が困難な児童を保護者に引き渡す訓練を行った。保護者への連絡や校内での車の誘導、児童の避難経路などを確認し、災害時に迅速な対応を取れるよう、職員、保護者、児童全員でイメージを共有した。

 

訓練は風雨が強まり、児童各自での下校が難しい状況が近付いているという設定。教諭らはまず、この日の欠席児童、迎えに来る保護者や親族の氏名、それぞれの持ち場と役割などを確認した。各家庭へは緊急連絡網で迎えの要請があり、児童たちは荷物を持って校庭に面した体育館へ避難し、保護者の到着を待った。

 

同校は校庭への出入口が1カ所しかなく、車が殺到すると渋滞が起こる可能性がある。教諭らは学校前の道路、校門、校庭、体育館に分かれ、車が校庭内を一周するよう保護者を誘導。体育館前で順番に停車させ、ドライブスルー方式で児童を引き渡した。

 

児童の引き渡し訓練は昨年も実施したが、地域の特性を踏まえ、今回初めて車での迎えを想定した。訓練後、教諭らからは▽児童が車の前を横切らないよう、乗り込む場所を事前に確認する▽急発進を防ぐため、車両1台ずつ落ち着いて誘導する│といった改善点が挙げられた。

 

この日は大島支庁職員による土砂災害出前講座もあり、児童たちは防災意識を高めた。5年生の娘を迎えに来た當房省吾さん(39)は「もしもの時のために、学校でも家庭でも日ごろから語り合い、備えておくことが大切。今日は貴重な機会になった」と話した。