「血液備蓄所 再設置実現を」 県町村会が要望 県血液対策推進協
2024年01月30日
社会・経済
第64回鹿児島県血液対策推進協議会(会長・池田琢哉県医師会会長)が29日、鹿児島市の県赤十字血液センターであり、2024年度の献血で確保すべき献血者数を6万3827人とする県献血推進計画案をおおむね了承した。出席した県町村会(理事・鎌田愛人瀬戸内町長)は、奄美大島への血液備蓄所再設置の実現について要望した。
2023年4月から12月末までの県内献血者数の実績は、4万6703人で前年同時期比1157人減。23年度目標数6万2455人に対し、74.8%の達成率となっている。保健所ブロック別市町村別献血状況では名瀬保健所管内が665人、徳之島保健所管内が304人。
24年度献血推進計画の保健所別目標献血者数は名瀬保健所805人、徳之島保健所189人。また若年層の献血者確保に向け、県薬剤師会に委託して県内の中学生を対象に血液教育を150校で実施する予定。
県赤十字血液センターは県内の献血者数のうち、約65%が年1回のみの献血にとどまっている実績を報告。400ミリリットル献血は男性が年3回、女性が年2回まで採血できることから、複数回献血を推進していく方針を示した。
県町村会の鎌田理事は大島郡医師会などの意見として、輸血用血液製剤の備蓄所の再設置を要望。「町村会も同じ思い。奄美群島は台風や荒天が続くと輸送に問題が生じる。なんとか実現できるようにお願いしたい」と述べた。
血液対策推進協議会事務局の県くらし保健福祉部薬務課は「血液製剤の安定供給については関係機関による検討会を開催し、協議している。さまざまな意見も踏まえながら協議を継続していきたい」と回答した。
池田会長は「いろいろな問題をクリアしていかないといけない。人間の命は平等。県民がどの地域に住んでいても、安全で質の高い医療サービスが受けられるよう取り組んでいかないといけない」と述べた。