〝元気の秘訣〟学ぶ 「長寿道」で健康の保持増進 後期高齢者約30人が参加 奄美市
2023年09月09日
社会・経済
加齢とともに心身の活力が低下して要介護状態の危険性が高まった状態「フレイル(虚弱)」。後期高齢者のフレイル状態の把握や健康意識の向上などを目的とする「長寿道(ちょうじゅどう)」が8日、奄美市名瀬の市役所であった。2022年度に75歳を迎えた約30人が参加。講話や実技を通して〝元気の秘訣(ひけつ)〟を学んだ。
生涯を通じた健康の保持増進を図る取り組みとして、厚生労働省が20年度から推進している「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業」の一環。奄美市は同事業を22年度に始めており、早期のフレイル予防や生活習慣改善が健康寿命の延伸につながるとして、後期高齢者の入口となる75歳を対象に「長寿道」を初めて実施した。
保健師指導の下、参加者らは高血圧予防や改善のポイント、時間栄養学などの食事方法、オーラルフレイル(口腔(こうこう)機能の衰え)対策などを学んだほか、足腰の筋力などを鍛える「ロコトレ」やガムを用いたそしゃく力チェックにも挑戦。
「人生を健康に楽しく過ごしたい」と、友人と共に参加した前島悦子さん(76)=佐大熊町=は「身内が寝たきりになり、フレイル予防の大切さを毎日肌で感じている。健康に関する知識が増えて良かった」と語り、大山京子さん(75)=同=は「平均寿命が伸びているが、自分の足でいつまで立つことができるか不安がある。少しでも長く自立した生活を送ることが目標」と話した。
22年度の奄美市における平均寿命は女性86・1歳、男性78・4歳、平均自立期間(介護2以上)は女性83・8歳、男性76・8歳。