サメ出没、クジラ狙いか 町施設閉鎖「遊泳自粛を」 体長2、3メートルを複数確認 龍郷町の手広海岸
2022年06月15日
社会・経済
サーフィンなど海洋レジャーが盛んな龍郷町赤尾木の手広海岸付近で13日以降、体長2、3メートルほどのイタチザメが複数目撃されている。これに伴い、町は海岸近くのシャワー施設「手広ドーム」を閉鎖。奄美サーフィン連盟(ASA)もサメ出没を知らせる看板を立て、注意喚起している。同海岸では13日にクジラの死骸も見つかっており、サメはクジラを狙って海岸に近づいたとみられる。
関係者によると、13日昼ごろ、干潮時の同海岸で体長4メートルほどのコブハクジラとみられる死骸が見つかり、腹部にサメにかまれたような痕跡があった。付近を警戒していると、同日夕以降の満潮時にクジラに近づく2匹のイタチザメらしき姿を確認したという。
危険性が高いイタチザメの出没について、ASAの長博文会長は「浅い海岸近くで見たのは初めて。クジラから出る血の臭いで興奮しているのではないか」と警戒。ASA会員のサーファー間で情報共有し、サメがいなくなるまで様子を見るよう申し合わせた。
奄美海洋生物研究会の興克樹会長は、漂着したコブハクジラについて「普段はだいぶ沖合におり、島の近海ではまず見掛けない。体に付いた歯形を見るとサメにかまれたのは明らか」と見解を示した。同会などは15日、漂着したクジラを解剖した後、埋める。
サメ出没の知らせを受けた同町は14日、海岸近くにあるシャワー・トイレ併設施設「手広ドーム」の閉鎖を決定。関係団体と情報共有し、状況を見ながら再開時期を検討する。町企画観光課は「安全が確認できるまで海岸の利用は自粛してほしい」としている。
手広海岸は島内外からサーファーや遊泳、観光客などが訪れる海洋レジャーの名所。関係者からは「クジラの死骸がなくなればサメもいなくなるだろう」「クジラの血や臭いはしばらく付近に残るかもしれない。状況次第では、長めの遊泳自粛も必要になると思う」といった声が聞かれた。