大島紬をもっと身近に 工程学べる糸見本セット贈呈 奄美群島大島紬振興対策協議会

2023年03月30日

社会・経済 

大島紬振興対策協議会が寄贈した紬の原料や製造工程を学べる見本セット=28日、奄美市名瀬

奄美群島大島紬振興対策協議会(牧雅彦会長)は28日、奄美市に本場奄美大島紬の糸見本セットを贈呈した。庁舎内などに展示し、大島紬の魅力を発信する。同日、奄美市役所を訪れた牧会長から見本セットを受け取った諏訪哲郎副市長は「大島紬の普及・理解に大きな効果があると思う。市のイベントなどでもどんどん活用したい」と感謝した。

 

見本セットの提供は、住民や観光客が大島紬について知る機会を増やそうと初めて実施。奄美市のほか、群島各町村と同市名瀬の県大島支庁、鹿児島市の県庁にも寄贈する。

 

内容は▽糸見本3種類(絹100%の白糸、テーチ木染め、泥染め)▽布見本2枚(龍郷柄、明治時代末期まで一般的に織られていた真綿大島の復元)▽製造工程を記録したDVDと教本▽紬小物2点(スマホショルダー、ポーチ)。

 

見本セットは、実際に手に取って触り心地を確かめることができる。牧会長は「大島紬の原料や製造工程について子どもたちや若い世代は知らない人も多く、奄美大島以外の離島では触れる機会が少ない。現物と映像を展示することで、大島紬をもっと身近に感じてもらえれば」と期待した。