徳和瀬工場が操業再開 製糖終了、4月中旬へ 徳之島

2024年02月22日

社会・経済 

約2カ月ぶりに原料が搬入された南西糖業徳和瀬工場=20日、徳之島町

機械故障で昨年12月の今期操業開始直後から原料サトウキビの搬入、操業を停止していた徳之島町の南西糖業徳和瀬工場は20日、操業を再開した。同社担当者は21日、伊仙町で開かれたキビ関連の会合で再開の経緯などを報告。約2カ月間同社伊仙工場の1工場体制で遅れが生じていた製糖日程は、原料搬入終了予定を当初計画の3月23日から、4月14日に変更する方針を示した。

 

徳和瀬工場は昨年12月22日に発電機器の故障が見つかり、翌日から原料搬入を停止。復旧には数カ月要するとして、外部発電機4台の導入やボイラー蒸気配管工事を進め、2月中旬の再開を目指していた。

 

21日に伊仙町中央公民館で開かれた徳之島さとうきび生産対策本部運営企画委員会で、同社担当者が現状を報告した。それによると、再開初日の20日は原料約550トンを搬入。同日夕から開始した圧搾で一定の手応えを得たことから「徳和瀬工場では1日当たり950トンペースで圧搾を続けていく。徳和瀬で5万トン処理できれば、4月中旬までには製糖終了する見込み」とした。

 

徳之島の今期のキビ生産見込みは16万トン。新たな圧搾計画では22日以降、2工場合計の1日当たり圧搾量は、伊仙1150トンを含め2100トン。3月には洗缶日、発電機のメンテナンス日を設け、年末年始休暇などを含めた製糖開始から終了までの日数は116日間を見込む。

 

18日時点の原料キビ搬入量は天城町2万275トン(前期同日実績3万4927トン)、伊仙町1万7722トン(同2万9153トン)、徳之島町1万6015トン(同3万385トン)。3町全体は5万4012トン(同9万4466トン)と、前年の57%にとどまる。

 

3町合計の買い入れ糖度(18日時点)は平均15・19度(前年同日実績比1・25度増)。糖度帯は14・4度以上が84・98%(同52・8ポイント増)と高品質となっている。

 

このほか、南西糖業の2工場に設置のデトラッシャー(ハーベスター収穫原料精脱用システム)を管理運営する「徳之島さとうきびデトラッシャー管理運営組合」の利用料について、組合の赤字改善や設備更新などのため、2024│25年期から料金改定に向けた協議を進める方針を確認した。