文化継承など意見交換 巡めぐる恵めぐるゼミ 奄美市

2022年08月19日

社会・経済 

文化継承などについて意見交換した(右から)要田さん、麓さん、新元さん=18日、奄美市名瀬

一般社団法人「巡めぐる恵めぐる」が主催する「ムルフィールゼミナール」の学生向けイベントが18日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。新元一文代表(51)と奄美大島出身の学生らが、文化継承や地元の魅力を生かしたまちの発展の在り方などについて語り合い、奄美の未来像について考えを深めた。

 

同法人は奄美の文化や知恵、自然との関わり方を学び、社会に楽しみをつくる力を育むことなどを目的に昨年4月に設立。インターネット上で奄美の文化や食、音楽などについての講座を公開しているほか、住民を対象とした集落歩きなどを開催している。

 

イベントではフリーペーパー「みしょらんガイド」などを発行している「しーま」の麓卑弥呼編集長(44)と、巡めぐる恵めぐるの新元代表が社会人代表として、龍郷町赤尾木出身で鹿児島大学法文学部人文学科1年の要田ののかさん(19)が学生代表として登壇。

 

「奄美らしい発展とは」「文化を伝えていくには」など幅広いテーマについて、「伝統行事は形ではなく本来の意味を伝えることが重要」「奄美でしかできないことは何か問い続けることで質の高いものができる」などの意見を出し合った。会場から、「文化継承のためには進学や就職で島を離れた若者が戻って来られる環境をつくることも必要だ」との意見もあった。

 

来場した奄美高校家政科3年生の久保ひかりさん(18)は「奄美の文化が好きで郷土芸能部に所属している。将来は奄美で働きながら子どもたちに島の文化を伝えられるようになりたい」と話した。