自家製ジェラートいかが? 龍郷町の「あまみん」店舗開設 農×福連携で6次産業化

2022年05月07日

社会・経済 

障がい者就労支援事業所あまみんが敷地内にオープンした飲食スペース併設型ジェラート店「Tropica Amami(トロピカ・アマミ)」の店内=2日、龍郷町大勝

自家製ジェラート(氷菓)などを製造、販売する龍郷町の障がい者就労支援事業所「あまみん」(田中基次代表)は2日、飲食スペースを併設した店舗「Tropica Amami(トロピカ・アマミ)」を敷地内にオープンした。農業と福祉の連携による「6次産業化」が実を結び、奄美産の原材料にこだわった多彩な商品を取り扱う。今月13日以降、毎週4日(金~月曜)営業する予定。

 

あまみんは、心身の障がいや体調に合わせた内容、方法で就労訓練や実際の業務を行う就労継続支援B型事業所。2016年、同町大勝の山林に囲まれた田園地帯に開所し、現在約20人が利用している。

 

利用者の主な仕事は農作業と食品加工。近隣農家を手伝い、対価として得た作物などでジェラートを製造し、ハーブの自家栽培にも取り組む。ジェラートは奄美群島各地の空港やホテル、観光施設、本土の大手百貨店などで販売されている看板商品だ。

 

農耕(1次産業)から加工(2次産業)、販売(3次産業)まで一貫して担う「6次産業化」により、利用者の工賃も向上。障がい者らが農業で働く「農福連携」の優れた取り組みとして、農林水産省の21年度「ノウフク・アワード」で優秀賞に選出された。

 

「田園風景を眺め、自然の営みを感じながら、奄美の味覚を楽しんでほしい」(田中代表)。満を持してあまみん初となる店舗を敷地内に構え、屋根付きの飲食スペースも設けた。20席余りある椅子と机は田中代表の手作りで、適宜数を増やしていくという。

 

看板商品のジェラートは、甘味豊かな農作物を幅広く使い、それぞれ旬の季節に扱う。各種原材料は奄美大島産の果物や喜界島産の白ごま、徳之島産のラム酒、与論島産の塩など。沖永良部島産の豆を使ったブレンドコーヒーなどもあり、奄美群島産の素材にこだわっている。

 

このほか種子島、屋久島、沖縄県内各島の名産品も積極的に使用。自家製ハーブを使ったクラフトコーラなど飲料も種類豊富で、楽しみ方はさまざまだ。軽食として総菜系、スイーツ系各種のクレープもある。

 

当面は事業所の職員が店頭に立ち、運営の安定後は、あまみん利用者による接客も見据える。田中代表は「心身の状態や技術レベルは人それぞれ。一人一人が充実して働き、それに見合った賃金を得られるよう環境を整えていきたい」と事業展開の目的を意識する。

 

店舗は午前11時~午後4時営業で、毎週火~木曜定休。今月6~9日は臨時休業。6月末までは「試運転期間」として、全商品2割引きの価格で販売する。問い合わせは電話0997(62)5260あまみん「トロピカ・アマミ」。