E‘more秋名を選出 ディスカバー農山漁村の宝 全国37地区、群島から初

2022年12月26日

社会・経済 

① 農水省と内閣官房による「ディスカバー農山漁村の宝」に選定されたE‘more秋名の村上代表理事=23日、龍郷町幾里

地域資源を生かして活性化に取り組む優良事例を選定する「ディスカバー農山漁村の宝」の第9回選定37地区がこのほど発表され、農水省と内閣官房の選定対象地区に、龍郷町の一般社団法人「E‘more(いもーれ)秋名」(村上裕希代表理事)が選出された。国による選定の対象となるのは奄美群島で初めて。また、農水省九州農政局が選定する3地区のうち1地区に、同町の株式会社「リーフエッヂ」(田中基次代表取締役)が選ばれた。

 

ディスカバー農山漁村の宝は「自立した農林水産業」や「美しく活力ある農山漁村」を目指し、優良事例を全国に発信することで波及を図るのが目的。2014年に始まった。

 

今回は全国から616件の応募があり、有識者懇談会を経て選定地区を決定。今月19日には政府主催の選定証授与式が首相官邸であり、E‘more秋名の村上代表理事も出席した。

 

E‘more秋名は18年設立。少子高齢化が進む荒波地区で宿泊事業を通じた関係人口創出に取り組み、島の家庭料理を提供する「あらば食堂」の運営による文化継承にも貢献している。食堂利用者は年間5千人を超え、12人の雇用を生み出している。

 

ディスカバー農山漁村の宝への選定について、村上代表理事は「島の暮らしを受け継ぐというこだわりを評価してもらえた。ありがたい」と語った。

 

リーフエッヂは16年設立。障がい者就労支援事業所「あまみん」を運営し、近隣農家の作業支援の対価として得た果物など、南西諸島の食材を使った自家製ジェラートを販売。農家の負担軽減や島々の食材PR、利用者の賃金向上など効果を上げている。

 

農水省九州農政局による選定を受け、田中代表取締役は「農福連携を通じて、さらに新たな分野で事業を展開していきたい。利用者の就職先を増やすことが大切」と先を見据えた。

 

23日、農水省と九州農政局の関係者6人が同局選定の表彰伝達も兼ねてリーフエッヂ、E‘more秋名が運営する施設を訪問、視察し激励した。26日には、両団体の各代表が龍郷町長を表敬し受賞を報告する。

「ディスカバー農山漁村の宝」の農水省九州農政局選定地区に選ばれたリーフエッヂの田中代表取締役=23日、龍郷町大勝(同社提供)