先人の功績学ぶ 奄美群島日本復帰記念講話 龍南中学校

2023年06月05日

子ども・教育

日本復帰の歩みについて、生徒たちに分かりやすく説明する楠田哲久さん=5月31日、龍郷町

龍郷町の龍南中学校(碇山信行校長、生徒120人)で5月31日、奄美群島日本復帰記念講話があった。講師は「泉芳朗先生を偲ぶ会」会長の楠田哲久さん(75)。生徒らは先人の苦労や成し遂げた功績を学び、平和の尊さへ理解を深めた。

 

奄美群島日本復帰70周年を記念して、日本復帰についての知識を高め、今後の学習に生かそうと企画された。

 

楠田さんは、1945(昭和20)年の終戦から、奄美群島が日本復帰した53(昭和28)年までの島民の生活の様子を写真で紹介。

 

復帰へ向けた署名活動は東京の奄美出身者が始めたことや、奄美群島で日本復帰協議会が組織され、満14歳以上の群島民99・8%の署名が集まったことなども説明された。

 

そのほか▽断食運動など泉芳朗のエピソード▽米軍統治下時代、本土に渡るためのパスポート▽貨幣として米軍が発行したB円▽ダレス声明がなされた当時の名瀬小学校の様子▽復帰祝賀日の日の丸行進―などについて、写真を掲示しながら説明した。

 

講話を熱心に聞いていた鈴木乃衣さん(3年)は「泉芳朗さんを中心とした方々の思いがあって今平和に暮らせていることを感じた。先人が強い気持ちを持って行動した姿を見習っていきたい」と話した。

 

同校では10月の学習発表会に向け、全校生徒が3グループ(A~C)に分かれてテーマ別の学習を探求。Cグループは、日本復帰に関する劇を発表する予定。