「表彰台の一番上で国歌を」 女子やり投げ金の北口選手 初の奄美大島合宿
2025年03月27日
スポーツ

奄美大島合宿のため来島しているパリ五輪女子やり投げ金メダリストの北口榛花選手=26日、奄美市名瀬
昨年のパリ五輪陸上女子やり投げで、日本の陸上女子フィールド種目で史上初の金メダルを獲得した北口榛花(はるか)選手(27)が21日から、国内合宿のため奄美大島入りしている。26日、奄美市内のホテルで報道陣の取材に応じた北口選手は、大会連覇が懸かる今年9月の東京世界選手権大会に向け「現役選手として日本で行われる世界選手権で金メダルを取り、表彰台の上で国歌を聞くチャンス。そういった特別な空間を会場にいる皆さんと分かち合える大会にしたい」と意欲を示した。
高校からやり投げを始めた北口選手は、2年生の時に全国高校総合体育大会陸上競技大会で優勝。2022年7月のオレゴン世界選手権で銅メダル、23年8月のブタペスト世界選手権では2大会連続のメダルとなる金メダルを獲得した。
シーズン前のこの時期は例年、国外で合宿を行っていたが、トレーニングの日程を自身で管理するため、大学卒業後では初となる国内合宿を実施。温暖な気候で練習環境が整う奄美大島を合宿地に選び、奄美市名瀬の陸上競技場で練習に励んでいる。
北口選手の来島は、子どもたちにスポーツの楽しさや競技の魅力などを伝える「JALアスリートアカデミー」が開かれた22年11月以来2回目。奄美大島での合宿ついて「暖かい気候で練習できている。やりを投げる技術的な練習をいろいろ試しながら、自分の方向性をつくっていけたら」と述べた。
今シーズンは自己記録から60センチに迫るアジア記録(67メートル98)更新を目標に掲げる。「今シーズン初戦の5月までにどれだけ(自身が納得する状態に)近づけられるかがポイント。考えながら練習して、順調に積み重ねていきたい」と意気込んだ。
奄美大島の島民に対し「奄美大島にはスポーツしている人が多い。私は北海道出身で陸上するには雪のハンディもあったが、どこの場所でも競技を極めれば上は目指せる。一生懸命極めてほしい」とエールを送った。
北口選手は5月に中国で開催されるダイヤモンドリーグでシーズン初戦を迎える。奄美大島合宿は4月初旬まで。27日には練習の報道公開を予定している。