命を救う勇気、身に付けて 龍郷町 龍南中で救命教育

2023年05月20日

子ども・教育

 龍郷町の龍南中学校(碇山信之校長、生徒120人)で18日、一次救命処置(BLS、ベーシックライフサポート)教育が全校生徒を対象に行われた。大島地区消防組合龍郷消防分署の大司昭二分署長(52)と中村雄大さん(28)ら職員6人が講師となり、学年別に講習を実施。生徒たちは心肺蘇生法や積極的に救命処置を行う大切さを学んだ。

 

BLS教育は町が2021年度から小中学校の教育課程に導入。幼少期から段階的に「心の教育」を取り入れ、中学卒業までに自発的、積極的にAED(自動体外式除細動器)を用いた心肺蘇生ができる人材の育成、救命率向上を目的としている。

 

3年生39人は、これまでに学習した「5STEP(ステップ)」①現場の安全確認②傷病者の反応確認③119番通報とAEDの依頼④呼吸の確認⑤CPR(心肺蘇生法)とAED使用法―を復習した後、チーム別に実践練習へ。

 

生徒たちは講師から「チームで声を掛け合い、視線を合わせて」とアドバイスを受け、生徒たちは連携を取りながら模型を使った胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸法、AEDの取り扱いを学習した。

 

村山遥さん(14)は「緊急時に自分ができる、最良の対応を学んだ。救命処置が必要となった時には、一番に行動したいと思っている」と話した。

 

中村さんは「生徒たちが命に対しての訓練に真剣に取り組んでおり、胸骨圧迫の技術も高い」と実感。住民の行動が人命救助につながった例を話し、「命を救うためには一歩踏み出すことが大切。その勇気を持って」と生徒らへ呼び掛けた。

 

18日現在、龍郷町内のAED設置は51基。小中学校の設置率は100%となっている。